クラブA bT  

                   1993・11・5 発行 横浜セクシュアルハラスメント裁判を支える会事務局



☆ 裁判報告

1993年10月8日 第6回公判

 前回の傍聴が被告側の心証を悪くしたのか、冒頭に裁判長から注意されました。エヘヘ。
 今回、Aさんへの反対尋問として、被告代理人達が次々と質問しました。はじめに、加害者側の代理人からは1992年2月19日のワイセツ行為の時間が前回の証言からは30分にわたるものであったようだが、20分とも言っている、実際はどうだったのか。さらに、声をあげてしかるべきなのに、あげなかったのは何故か、騒げば、おおごとになるというが、同僚に伝えたのは矛盾しないかなど、よくある脈絡にいつまでもヨーヤルと思った。
 加害者の会社であるテクネットの代理人からは、経歴や入社の動機、面接の時のメンバー、仕事の内容、弁当はいつも持ってくるのか、(どういう関係があるのだ!)とか。加害者は髪や肩を触ったりしているというが、他の従業員がいるときはどうか、事件以降肩や髪を触られたか、飲みにいったのはいつか、行為中の位置はどこか、時計はどこにあったか、ドアーはどれくらい離れていたか、当時の衣服はどうであったか、行為をやめたのはどういうきっかけでか、行為後、弁当を先に食べたのはどちらか(アー聞きたくもない)社長に話しに行ったときの社長の対応はどうだったか、退職するまでにアルバイトは何人か(アホらしい)営業所の空気が変わってることを誰かに相談したか、他の人は腫れ物に触るようだったか、退職の決意は何が理由か、退職後はどうしていたか、神奈川女性センターに相談したのはいつか、など。
 さらに、テクネットのもうひとりの代理人からは、テクネットに入る前の会社を辞めた理由は?(2月19日の)行為の内容を説明してくださいというもの。
 どうも、Aさんを「どうしようもない女」に仕立て上げたいらしい。
 次に、いよいよ清水建設の代理人からだ。
 あきれたことに、彼はキスと下半身のことにとらわれ、抵抗の可能性を論証したかったらしい。 3人の裁判官の黒一点が質問してきた。行為の最中に何を考えていたのか、社長と会うということは大変なことだが会えると思っていたのか、社長に断られたら辞めるつもりだったか、社長が加害者を叱ったことについて一定の評価があったからではないか、復職したいことは社長は知っていたか、辞めろといわれたことは?加害者が個別に謝ることではなくみんなの前でと思うのは何故か、サラリーマンが社長に怒られることは大変なことではないのか、といったぐあい。
 Aさんの代理人はテクネットに入る前の会社を辞めたのは、ムードが合わないということでしたね、とフォロー。さらに2月19日の行為の位置で、テクネット側が示す間取りが違っていることを確認させた。

 Aさんは動揺もなく終始冷静で、真実を語っていることを印象づけたし、被告側の狙いは外れ
たのでは?と思われた。
 Aさん!よくやったね。がんばったね。

 公判後の話し合いで、今回は怒らぬようにと事前に説得するには時間がかかったと聞き、大笑い。公判に参加されなかった方には伝えにくいが、「中年のおばさん」という表現がAさんからされたことで「原告のいうところの…」と説明したN弁護士の発言が「苦労」しているところだね、とこれまた笑えた。
 今回は宇都宮のKさんも参加していただき、総勢24名の傍聴。AさんとKさん、お互いに感じ
ることがあるようで、地裁の近くの喫茶店で話し込んでいたのが印象的でした。

  次回の公判  12月10日(金)
   次回、第7回公判はいよいよ被告本人が登場します。

   12月10日(金)午前10時30分

   横浜地裁501号法廷にぜひ傍聴しに来てください(JR関内駅徒歩10分)



☆ 「命名 “クラブA”」

 会報4号発行にあたり事務局では、会報のステキな名前の応募が期待できない現実をようやく受け入れる決断をした。それはつまり、自分たちで考えると言うことである。いや、前からその気が全くなかったわけではないのだが、コレといった案がなくて苦慮していたのだ。なんったって挙がっていた候補が「矢ガモ」(2号の文章が印象的だったから)・「ひまわり」(宇都宮のKさんとこが「すみれの会」だから)・「レインボー」(こないだ東京湾でレインボーブリッジが開通したから)・「ベイ」なんとか(ちょうど事務局が居候している事務所の窓からベイブリッジがよく見えるし、横浜っぽいから)・「サン」なんとか(サンサンと輝く太陽のように明るい原告だから)・「太陽」(「サン」なんとかと同じ)・「しゅうまい」(港ヨコハマの名物だから)といった具合で、動物愛護団体みたいだとか、対抗しているようでイヤミだとか、安直すぎるとか、バカまるだしみたいでやだなどという、自分の出した案以外はほとんどケチョンケチョン状態だったからである。それが、以前に事務局のOさんが、長期休暇取得問題で裁判をやっている某Yさんの支援の会が"バカンスクラブ"というのだと話したのを、原告A子がミョーに気に入っていて、自分の愛読する雑誌「フロム・エー」と、大ファンであるところの「米米クラブ」をくっつけて"クラブA"にしようと言い出したのである。ピンクのマッチ箱に紫のイタリック体の雰囲気で「会員制クラブ・A」なんて、いいじゃん!いいじゃん!と盛り上がったので、それに決定した。まあ会員制というのは事実だし、みんなある意味ではA子のファンなのだからいいじゃありませんか、というわけで、みなさん会費を払いましょう。




☆ 晴天の宇都宮

 11月4日、宇都宮裁判所に行きました。
 そうです!Kサンの裁判です。公判は4回を迎え、被告側の答弁書の矛盾を突いた準備書面が提出されており、それに対する反論点を確認するためのものでした。「不知」という言葉だけの「反論」?でした。
 前回に支える会のメンバーが傍聴に行き、裁判長がやたら親切なのに驚き、傍聴券の発行にも「実名」の影響なのかくじ引きであったとのこと。今回はくじ引きはなく、32名の傍聴席が埋まり、マスコミ関係者は5名程でした。横浜との違いはこれに留まらず、傍聴の半分ほどが男性で、裁判官も全員男性でした。
 公判後の報告集会で中下弁護士の説明によれば、これまで事実関係で争うような被告側の姿勢が、どうも準備書面によって一変し、法律論で逃げるようだとのことでした。その準備書面の内容を紹介してくれて、「上司」の定義や、アフターファイブはプライベートとすることのデタラメとか、会社が加害者をKさんと組ませることを止めたことを、事態を「不知」しながらも行ったことについて会社側の努力として認めさせようとする矛盾など。沼津判決と福岡判決の成果をフル回転させ、さらに職場環境調整の義務を問う内容のものでした。
 これは現在、地労委に申し立てているイトーヨーカドーの件にもとても参考になり、あらためて沼津と福岡の原告たちの顔を思い浮かべたものです。
 次回の公判はいよいよ原告本人への尋問に入ります。
 12月9日(木)午後1時15分より、301号法廷です。Kさんから、多くの傍聴を要請されました。この日はきっと、傍聴券はくじ引きで!ということになるでしょう。1時間前に裁判所の左側に並んでください。 
            (P)



☆ Kさんからの手紙です

 私は今、宇都宮でセクシュアルハラスメント裁判の原告をしています。
 Aさんと私は、昨年、同じセクシュアルハラスメント被害で提訴していて、弁護士の先生の1人が一緒だったり、今年2月に行われた飯田橋(東京都)でのシンポジウムで一緒だったり、歳が近かったり等、割と共通点があるので、私はA子さんも「横浜セクシュアルハラスメント裁判」もとても身近に感じていました。
 しかし、お互い係争中ということもあり、なかなかお話しする機械もなかったのですが、8月19日の「宇都宮セクシュアルハラスメント裁判」にA子さんが来てくれたことがきっかけで、いろいろお話しすることが、できるようになりました。
 そんなことから、10月8日はA子さんの反対尋問と聞いていた私は、いろんな意味で傍聴席から応援しようと、「横浜セクシュアルハラスメント裁判」の傍聴に行きました。途中、電車の乗り継ぎがよく分からなかったり、間違えて地方検察庁に行ってしまったりして、少し遅れてしまいましたが、宇都宮から行った甲斐がある公判でした。
 被告側の、大手建設会社とその子会社、そして実際猥褻行為を行った上司側からの尋問は、思った通りのパターンで、「なぜ助けを求めなかったのか、いくらでも逃げられたのではないか?」「なぜ誰にも言わなかったのか」等、反抗できなかったあなたが悪いと言わんばかりで、前回の「横浜セクシュアルハラスメント裁判を支える会々報」に載っていた、「反対尋問でのA子さんの逆襲」の、その気持ちが痛いほどわかりました。今回のA子さんの公判を傍聴しながら、法廷でまで被害者であるA子さんを傷つけ、そんなにまでして責任逃れをしようとする被告側に対し、私はずっと憤りを感じていました。そして、その反面、「明日は我が身」と気をひきしめ。A子さんと共に最後までがんばろうと決意を新たにしました。(K)




☆ ガーデンさんからのラブレター

 10月29日に開設された東京の「おんなのホットライン」に関わっているガーデンさんは、宇都宮裁判のKさんを囲む会に参加したとのこと。熱いメッセージを寄せてくれました。

     「福岡・宇都宮・横浜」
 東南アジアの国々を歩きまわるのは大好きだけれど、国内は以前に住んだことがある4つ5つの街以外ほとんど知らない。うんと年をとって、リュックをかついだ貧乏旅行が億劫になったら、その時こそは国内の秘境巡りでもするんだといつもうそぶいている。
 でも、三多摩の会の活動でセクシュアル・ハラスメントに焦点を当てるようになってから、日本中のあちこちから、知らない街が私に新しい、けれど親しげな顔を見せてくれるようになってきた。
 初めて私たちがセクシュアル・ハラスメントの概念を紹介したピンクの翻訳パンフレット(今も在庫は一杯。1部500円、買ってね)の記事を新聞で見て、送ってほしいと日本中から連絡葉書が届いた。それに応えながら、『今、このとき』、同じ思いを抱き続けている無数の女たちの存在を思ったものだった。
 続いての『セクシュアル・ハラスメント1万人アンケート』では、頭には描いていたけれど、実際にぞくぞく私書箱に届く返送封筒の量と、ぎっしり詰まった中身は、改めて『女の人権』感覚が、今まで運動とは関係ないと思っていた人達の中にしっかり届いているという実感を私達に倍加させた。
 それをぐんと加速させたのは、福岡のA子さん、熱海のA子さん、横浜のA子さん、三多摩のOさん、宇都宮のKさん、さらに『みずら』のニュースに登場したり、三多摩の会に手紙をくれる数々の女性たち、具体的な無数のA子さんの登場だ。
 相談は、うまくいったり駄目だったり、元気も出るけれどがっくりくることだってある。どこまでいっても、もう十分という時はこないのかなと思うこともある。でも、その関わりの中で私自身が一杯エネルギーを貰っているのだから、何をか言わんや。きっと私は150才くらいまでも生きられるんじゃないかしら。
 中でも特別組が『福岡・横浜・宇都宮』組だ。福岡についてはもう、いっぱい語られているから省くけれど、特に横浜のA子さん、宇都宮のKさんと出会えたことは、50才分位の値打ちがありそうである。どちらも私にはまぶしい次世代のフェミニストだ。彼女たちの主張は実に明快で、本当にそうだよね、なんでそれが分からないというわけ!と言いたくなるような語り口、心からいいなあ、惚れ惚れするなあ、という感じ。しかもそんな彼女たちがあまりにも健気に、貰う給料の2倍分も3倍分も配慮気配りという無給の仕事をやってきている。怒るのはあったり前の事。これからの裁判では、益々男の側のどうしようもない認識のずれとその悪用の実態、それを100も承知で利用し尽くす会社側の状況がさらに白日の下に晒されていくことになるだろう。どちらの裁判も皆で目を離さず、支え、支えられていきたいものだ。
                                      (働くことと性差別を考える三多摩の会 ガーデン)




☆ イハラケミカル、イトーヨーカ堂抗議行動報告

 女のユニオン・かながわとかながわ・女のスペース"みずら"主催で、9月24日、予定通り2社の本社前で抗議行動を行いました。
 イハラケミカルへは、嘱託への不当解雇と団体交渉拒否に対して、イトーヨーカ堂へは、セクシュアルハラスメントと団体交渉拒否に対しての抗議行動でした。
 性暴力を許さないおんなたちのネットワーク'90、働くことと性差別を考える三多摩の会、女の労働わくわく講座、日本消費者連盟など九団体の賛同を得て心強く行動の日を迎えることがで
きました。
 当日は、霧雨が降ったり止んだりの不安定な天気でしたが、29団体82名の参加があり、共感と熱気あふれる行動となりました。
 こちらの前号のニュースでも呼びかけさせていただき、ご協力ご参加いただき、本当にありがとうございました。
 その後は、イハラケミカルからはなんの連絡もなく、神奈川地労委の命令を待つ状態です。
 イトーヨーカ堂は10月6日に、1回は団交には応じたものの「時刻、場所からいって、プライベートな世界」「4万人もの従業員に管理は及ばない」「この会社の見解が理解されることが解決策」という許しがたい対応でした。不誠実団交であるので、誠実に団体交渉に応じるよう求め、地労委に10月13日提訴しました。
 次のとおり、第1回神奈川地労委への調査があります。ぜひ傍聴してくださいますようお願いいたします。
                                                                 (K)

 《日 時》  10月10日(水) 午後3時〜
 《場 所》  神奈川地方労働委員会 JR関内駅から徒歩12分
 《問合せ》  かながわ・おんなのスペース"みずら"
         女のユニオン・かながわ




☆ 労働省 研究会報告でセクシュアルハラスメントの定義を示す

 10月18日に発表された報告書をすでに入手しました。会で検討したいと思います。

     (1993年10月19日 神奈川新聞)
 性的な言動で職場環境悪化 労働省がセクハラを定義

相手方の意に反した性的な言動をし、それへの(相手方の)対応によって仕事上の不利益を与えたり、就業環境を悪化させること―――セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)について労働省は18日、こんな定義を発表した。
 セクハラの概念があいまいで、無限定に拡張されて混乱を招くケースがあるため、定義付けを周知させ、企業に予防へ組織的な対応をしやすくさせるのが目的。
 定義は、労働省が委託した二十一世紀職業財団の「女子雇用管理とコミュニケーション・ギャップに関する研究会」(座長、奥山昭良・成城大教授)の報告書を基に決めた。
 同研究会は昨年3月から4月にかけ、女子労働者約千人にアンケート調査を実施。4人に1人が性に関する不快な経験をしたと回答し多。「性的な冗談、からかいや質問をされた」「身体に触られた」などが多く、それへの対応の仕方によって、1割前後が仕事上の影響を受けていた。
 報告書は通常、セクハラとは、「相手の意に反して性的な言動を行う」と理解されているが、嫌がらせを受けた側の対応によって査定などで仕事上の不利益を与えたり、仕事をしづらくするなど、就業環境を悪化させる場合、と定義づけた。
 解決策として、企業に対しては女性を貴重な人材と位置づける一方、研修で予防対策に勤め、問題が起きたときの苦情処理システムを導入するよう提言。

     (1993年10月19日 朝日新聞)
 「職場のセクハラ」こう定義 労働省が試み
   性的に不快な言動を行い職業生活に不利益生じる
   女性990人を調査 26%「不快な経験」

 セクシュアル・ハラスメント(性的いやがらせ)が社会問題化するなか、労働省は18日に発表した「女子雇用管理とコミュニケーション・ギャップに関する研究報告書」の中で、「職場のセクハラ」を初めて定義した。一般に言われている「性的に不快な言動」に加え、「仕事上の不利益を与えられた場合」などの要件を盛り込んだことが特徴だ。同時に発表された働く女性へのアンケートでは、4人に1人が「過去2年間に性に関する不快な経験をした」と答えた。
 報告書は、労働省から委託を受けた同省の認可法人「二十一世紀職業財団」がまとめた。まず、職場におけるセクハラについて「相手方の意に反した、性的な性質の言動を行い、それに対する反応によって仕事を遂行する上での一定の不利益を与えたり、またはそれを繰り返すことによって就業環境を著しく悪化させること」と定義。
 こうした定義を試みたのは、@セクハラが女性の就業意欲を低下させ、能力開発を阻害しているAその一方で、セクハラの概念が確定していないため、無限定に拡張される場合があり、かえって企業側の対応を難しくするなどの問題点が出てきたため、としている。
 「性的な言動」の実例としては、体への接触といった直接的な行為のほか、性的なうわさを流したりヌードポスターを張り出したりすることも含まれると規定。「職業生活上の被害」としては、上司からの要求を拒否したための解雇や昇進差別のほか、仕事をする環境が著しく不快になる場合も含まれるとしている。また、セクハラは男女ともに引き起こす可能性があるとしている。
 一方、従業員百人以上の会社で働く女性約990人を対象に昨春実施したアンケートによると、過去2年間に性に関する不快な経験をした女性は26%にのぼった。内容は、「性的な冗談やからかい、質問をされた」が76%、「体に触られた」が73%で、「仕事に関係ない食事など執拗に交際に誘われた」「性的関係の誘いを受けた」などが続いている。
 対応策としては、「女性自身が毅然(きぜん)と対応する」「企業が男性社員の意識教育をする」などの答えが多かった。
 労働省は今後、職場のセクハラを防ぐため、企業に対して、セクハラに関する基本方針の策定や研修の実施、投書箱を利用した苦情処理制度や女性担当者を窓口に配した相談制度の設置などを要望していく方針。



☆ 12月4日 宇都宮セクシュアル・ハラスメント裁判

     1周年記念の集いに参加を!

 この日、午後1時半から、大井町の南部労政会館において、Kさんを励ます会として裁判1周年をむかえて、集会を開催するそうです。主催はすみれの会。福岡、横浜、仙台の原告たちをむかえて、福島瑞穂弁護士からは、Kさんとの出会い。渡辺智子弁護士からは、裁判の経過報告。大脇雅代さんの講演。労働省の研究会報告の紹介。という内容です。それぞれの裁判が大詰めを迎えていることもあり、是非とも多くの参加をお願いします。
 後日、ビラ等が入手できましたら送ろうと思っております。




☆ Aさんコーナー

   「弁当答弁」
 今回の反対尋問では、20分間にも及んだ部長のワイセツ行為終了直後の昼休みに、2人で(平然と)昼食をとったことが不可解だという見解が3名の被告全員から出された。その昼食というのが弁当だったのだ。
 「そのときの弁当は家から持って来た物か、それとも買った物か・お茶はどうしたのか・弁当は全部食べられたのか」‥‥‥ご飯とおかずの比率まで訊かれるんじゃないかと心配になった、法廷で弁当につっこみを入れるおじさんたち。しまいには裁判官まで「いつもどこで食べているのか」などと質問してくる始末。何なんだ。弁当食べた私の心理はそんなに理解不可能か?
 あとで事務局のQさんがルーチン・ワークだと言った。そう。その通り。だってお昼だったのだもの。他にすることないじゃない。食欲がどうとかいうのではなくて、とりあえずお昼だから弁当を食べた。いつものことだ。お昼に弁当を食べる‥‥‥お昼に弁当を食べないほうがよっぽどおかしい。
 事務所でお弁当といえば、電子レンジであたためをやったり、ごはんだけ持って行ってボンカレーとか、ネギとほうれん草の味噌汁はSさんがよく作っていたし、冷蔵庫でサラダを冷やしたり、ブリの照り焼きを焼いたこともあった。私の他にTさんも弁当組で、彼はお母さんの愛情弁当に引き続き、結婚後はサナエちゃんの愛妻弁当を毎日欠かさず持ってきた。そしてその日のおかずにより、キッチンの棚までソースやしょうゆなどの調味料をうれしそうに取りに行った。
この人は工事で現場へ行くときも、ネクタイを締めて営業に行くときも弁当を持って行った。高校生のときにはお寿司を、大学生のときにはお母さんの作ってくれた弁当を白昼の根岸線内で食べたという経歴の持ち主である彼にとって、そよ風の吹く駅のベンチや、鳩の舞う六本木公園は格好のランチスポットだったのだろう。
 「週刊誌より重いもの持って歩くのやなんだ」という理由で部長は弁当を持ってこなかった。でも週刊誌を持って歩いているところも見たことはない。それが、1度だけ秋に持ってきたことがあった。いつも自分でお茶でもコーヒーでも勝手にいれる人が、珍しく人にお茶をたのむなあと思って持って行くとなんと。まつたけご飯だったんですよ。「あーっ!見て、見て、部長のお弁当!」外へ食べに行こうとしていたみなさんと寄ってたかって覗き込むとメインのおかずは帆立貝のしぐれ煮だった。「やー、夕べのが残っちゃってさ、ニョーボが持ってけって言うから仕方なくね〜♪」「うっそだー、わざわざ作ってもらったんでしょー」「見せびらかそうと思ってー」「やっぱお前らとは経済力が違うってことをだなあ」「こんじょー悪いー!」12時15分頃、そうみんなで大笑いした遠い記憶がある。



《 編集後記 》

 これを書くにあたり、いちばん先に書くのはイヤダという奴あり、腹減ったことしか頭にない奴あり。私は彼女たちの為にこうしていちばん先に書いてやったのだ。エヘン。(P)

 それでも私は、腹が減ったことしか思い浮かばない。Aさんコーナーの弁当答弁を読んで、ますます腹が減った。何も悪いことをしていない私も松茸ごはんが食べたいヨ〜ン!(こぐま)

 みずらが11階に引っ越ししてから、やっと訪ねることができました。今日は、南部線でも東横線でもすわれて楽だった。でも、お腹すいた。(とんがらし)

 昨年12月5日、支える会を結成してもうすぐ1年。A子さんの人柄に触発されて、いつも楽しい作業です。実は私、途中で食事をしてきたので全然お腹はすいてない。余裕のQちゃんなのです。財政難の折、一時金カンパをよろしくね!(Q)

 今日は飢えてるやつが多いようだが、私は眠い。(A)




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