クラブA bP7  

                   1995・12・22  発行 横浜セクシュアルハラスメント裁判を支える会事務局



☆ 第3回口頭弁論報告

 2月20日、東京高裁809号法廷は、この後のケンタッキー・フライドチキンの強姦事件の傍聴者も参加していた。
 控訴人Aさんの代理人W弁護士から、本日漬けの準備書面の説明がなされた。河野貴代美さんと山田省三さんの鑑定意見書の主旨、および被控訴人の性暴力についての証人がテクネット社に親戚がいて迷惑をかけられないと証人を辞退したということを述べた。
 さらに証人と本人(Aさん)の尋問を要請する上申書(尋問の必要性を明らかにするもの)について、概略を説明した。次回の日程を決めて短時間に終わった。
 この後控え室に集合し、この日の内容について説明があった。それによると、被控訴人の代理人三浦弁護士は、Aさんを河野さんのいう「被害にあっても大声を出さない・逃げない『普通の人』」ではないと、論点をすり替えていることを指摘したこと。この裁判は目撃者のいないセクシュアル・ハラスメントについての判断を裁判所として初めて出さねばならないものであり、「大声を出さない・逃げない」が「社会通念」上セクシュアル・ハラスメントがなかったとされる根拠への見直しを迫り、もし横浜判決と同じような判決を重ねるとなれば、裁判所の役割を放棄したものである、と上申書として提出したとのことである。
 後日、その上申書を読んで、胸が熱くなった。横浜判決とこの上申書は必読モノであると思う。   (P)

  次回公判  3月21日 午後1時15分〜
     東京高等裁判所 809号法廷にて

 証人及び本人尋問が受け入れられるかどうかの結果が出るもようです。
 是非多くの方が来てくれますよう!




☆ 3/3女の祭り 桃とミモザとラベンダー

   「日常の中の女性への暴力」
 恒例となった「女の祭り」は、3月8日の国際女性デーにちなんだ催しとして、首都圏の様々な女たちが企画・準備したものです。今年は昨年11月に出来たばかりの「東京ウィメンズ・プラザ」を全館借り切って行われました。イベントホールでの女たちの和太鼓をはじめ、歌や映画上映にレズビアン・ネットワーク、女ユニオン東京、優生保護法などの分科会が行われました。
その中の「日常の中の女性への暴力」分科会に参加されたTさんより報告します。

 ヤンソン・柳沢由美さんと江東ウィメンズフォーラムの田中泰子さんの話の後、会場から意見を出してもらうという形式で行われました。参加者は5〜60人もいて、座りきれないほどでした。
 まず、ヤンソンさんから「自分たちの日常の中での女性問題をやりたいということで、女性の自主グループ(江東ウィメンズフォーラム)をつくり、郵便受けに入るテレクラや裏ビデオなどのチラシは女性への暴力と捉え、アクションを起こすことにした。これらのチラシの中には『女性の宅配・価格破壊』と書かれ、『女はセックスの商品』というメッセージがある。日本の中にあまりにもたくさんパブリックにセクハラが蔓延しているし、それは人権侵害である。無視していてはだめで、立ち上がる必要がある。」と話されました。
 Tさんからは「チラシの抗議ステッカーを造ったことが東京新聞に載ったら、すごい反響だった。みんな『これ以上チラシを投げ込まれるのはイヤだ』と思っている。私たち自身がイヤだとキチッと言うことがいちばん大事だと反響の中で教えられた。」と話されました。
 会場から、強姦裁判をやっている控訴人の方から「検察で強姦と不倫は同じと言われた。」という話があり、日本の検察が全く強姦を罪だと見ていない現実に憤りを感じました。
 この後ヤンソンさんが「インドのダウリー(嫁側は持参金を相手側に送らねばならない風習)で娘を殺された母たちも、警察へ行くと事故だと言われ、夫たちが何の罪にもならない。娘を殺された2人の母が、娘を弔うためにシェルターをつくり、今インド中から年間1万件の相談がある。」と話され、インドの女たちのことを思うと涙が出てきました。
 会場から「夫から暴力を受けて診断書を5通も持っていったのに、福祉事務所から夫とよく話し合えといわれた」という離婚経験者の話に、夫から妻への暴力がとても軽く見られている現実に憤りを感じました。
 また強姦にあい自殺した女性の話をした女性から、「性暴力にあったら、自分が悪いと責めないで欲しい。自分が悪いのじゃない。これをみんな身近な人に伝えて欲しい」と、とても大事なメッセージがありました。
 女性への暴力が蔓延していて、追い込まれている女性もたくさんいるこの日本で、裁判を起こしたり、シェルターをつくり支援したり、抗議ステッカーをつくり少しでも女にとって居心地のいい社会をつくる活動をしている女たちに力強さを感じました。(T)



☆ 宇都宮裁判

 和解勧告により心理は一時中断していましたが、和解打ち切りによって再開。被告Sの本人尋問が終了して、次回は支店長の尋問が行われる予定です。ただいま法律面と心理面両方の鑑定意見書の提出を検討中ということです。

  次回公判  3月14日(木) 午後1時より
     宇都宮地裁 301号法廷へ みんなでレッツゴー!



☆ 八王子A子さん裁判、判決日が延期になりました

 八王子のA子さんのセクシュアル・ハラスメント裁判の判決は3月4日に予定されていましたが、4月15日に変更になりました。変更の理由はわかりません。判決の報告集会も変更となりますので、よろしくお願いいたします。

  八王子A子さん裁判 判決報告集会  

     日時  4月27日(土) 午後1時30分より
     場所  八王子駅ビル内 市民ホール 第3会議室
          (JR八王子駅下車徒歩3分、八王子そごう8階)

     内容  原告あいさつ・判決についての報告
          支援する会報告・連帯アピールなど




☆ 強姦裁判について考える

 本日の夕刊トップは、沖縄の「少女暴行事件」判決。「3人の米兵懲役7年〜6年6ヶ月」とのことだ。
 基地と「人権」の問題が問われた。この事件をきっかけとして日常的な性暴力の実態がクローズアップされ、沖縄の女たちの闘いによって「強姦救援センター・沖縄(REICO)」が開設され、恒常的な取り組みに発展している。この問題は日米安保による基地問題だけではない、女性の人権が踏みにじられている問題でもある。
 新聞の中でいろいろな「有識者」と言われる人がコメントしているが、その中で「(判決は)妥当な線に落ち着いた。経験的にいうと、それでもやや重いとの印象ではあるが、被害者の落ち度のなさと犯行の悪質性をみると仕方ない」との意見が目に付いた。検察官の経験のあるベテラン弁護士の意見だそうだ。「やっぱりね、被害者の落ち度が一番問題にされるのね」と私は苦々しい思いがする。
 今回の判決は沖縄の人々が闘いによって勝ち取った成果だと思うが、刑法の強姦罪の枠を越えてはいない。
 2月21日、第3回口頭弁論の後で、同じ東京高裁で控訴審を闘っているB市のAさんの裁判があるというので傍聴した。Aさんは強姦されたと訴えたが、検察は認めず、不起訴。民事で訴えたが、一審では訴えは斥けられ、「納得できない」と控訴審を闘っている。
 当日は準備書面のやり取りで終わった。精神科医によるAさんの診断書、アメリカの文献で強姦などの性暴力被害者の実態や心理分析、北京の世界女性会議での女性への暴力に対する行動綱領等の書証が提出された。Aさんは強姦後の急性ストレス症状との鑑定であった。裁判長の態度は権威主義的で心許ない感じがしたが、傍聴席いっぱいの注目を意識してか、次回の証人として加害者本人を認めた。前回の裁判では、原告被害者本人の証人尋問が行われたという。
 性暴力の裁判ではなぜ被害者が責められるのか。「なぜ大声を出して助けを呼ばなかったか」「なぜ逃げなかったか」等々。横浜セクシュアル・ハラスメント裁判でも同じだった。性暴力を受けた被害者の心理は一様ではないが、その衝撃や傷は深刻である。実刑判決で沖縄の少女の受けた打撃や傷が本当に癒される訳ではなく、その一歩を築くに過ぎない。しかし、法の番人が犯罪と判定することで被害者が責めを負う構造を跳ね返し、人間としての尊厳を回復できる。Aさんの裁判もぜひ訴えが認められるように祈りたい。Aさんが自分の尊厳を1日も早く取り戻せるように。   (Q)

  次回公判  3月21日(木)午後2時〜 東京高裁817号法廷



☆ 沖縄の事件について

◎ 沖縄の判決について一言
 判決以前に、加害者がどれほどの行為をしたのか知らない人は多く、他人事のように考えている人が私のまわりにはたくさんいた。はるか彼方の沖縄の問題ではなく、どこにでもあり得る問題だから、米軍の何々がというよりも、同じ人間が犯したこと、ともっと身近に考えていけるようになれば‥‥‥と思った。(K)

◎ 沖縄判決に寄せて
 被害者の痛みをちっともわかってない判決に、腹が立つぞ。(足利・H)

◎ 沖縄判決・怒りの一言
 「被害者は小学生で落ち度は皆無だった」(裁判長)
 落ち度ってなんやねん?強盗事件の判決で、被害者には落ち度がなかったとわざわざ言うか?
 小学生でなかったら、これほどまでにみんな怒ってくれたのかな?
 犯人が白人だったとしても、スポーツ新聞は鬼畜のような奴とか報道したのかな?(スモールストーン)

◎ 沖縄の判決を聞いて思った。
 加害者の家族、それも母親や妹にしかインタビューしないのってなんか変よね。しかも、その内容で「家族はこうあるべき」みたいに加害者を擁護し、受け入れる姿が印象的だったことにやるせない気分になった。男は何をやっても許してくれるところがあるんだなあって。
 これまで被害者は、傍若無人な質問に晒され、落ち度を云々されてきた。自分を責め抜いて自殺した女性もいるというのに‥‥‥。
 女のみなさん!努々男を甘やかしてはなりませんぞ。(P)

◎ いても立ってもいられないような気持ちで知人にコールしまくった私だが、怒るだけならサルでもできることに気付いた。
 「基地問題などは事件にとって考慮の対象外」という解釈の正しさと、地域の感覚の差。
 「被害者に落ち度はない」などという発想自体の異常さと、その根の深さ。
 「判決だけ見れば酷いものだが、日本の強姦裁判の歴史から見れば評価はできる」と真摯に受けとめ、なお、闘い続ける力を失わないこと。
 受けた被害は回復のしようがない。ならばこそ、ただでは起きるものか。事件をきっかけにして問題提起のできることがあれば、私は嬉しい。治安が維持され、表面穏やかなこの世の中に、こんな醜いことがあるかと知ってしまったからには、私は自身の被害を提供しよう。(‥‥‥ひとりごと、ぶっとびのA)




☆ Aさんコーナー

   「代打劇」
 午前1時を過ぎた。それまで2度、ドアの外に立って引き返した私であったが、今度は勇気を奮ってベルを押した。隣の室の話し声と、ファミコンの大音量にたまりかねての抗議であった。
 私は、意外と思うかもしれないが寛大なほうである。寛大であることの内にはかなりの堪忍があり、しかるに、それが弓を引き絞ったときの限界のように耐え難くなったときには、通常人の想像を絶するような事態が引き起こされる‥‥‥とはいっても、それが午前1時半の抗議であるのだから、現代に生きる人々の恐るるに足らぬといったところか。
 寛大であるのは、そうでなくなったときに私が引き起こす嵐による被害を恐れるからである‥‥‥。
 私は自分の判断力を、自分ながらに恐れる。それがこの世で一般的に認められるものであるかどうか、自信を持ちかねるから。
 自己主張と自分勝手、どこにその境界があるのか。
 他人に不快感を与えたり、傷つけるようなことがあってはならないと思ってばかりいては、個人は何もできない。普通の人はその塩梅を上手にはかって生きているように思える。私自身は、それを常にぶち壊し、常識外に生きているように思える。
 私の生き様は、何ひとつとして正当に評価されるものがないように思える。己のためとはいえ、そのせいで確実に誰かを不愉快にさせている。八方美人になりたいのではないけれど、なるべく波風を立たせないように穏やかに生きたいと願う心には、それはあまりにも反している。
 この、はた迷惑で傍若無人な私が今さらこのようなことを述べることこそ、おこがましいことなのかもしれない。
 何物にも迷惑を及ぼさずにいるには、人間であること自体が無理なことなのかもしれない。
 ‥‥‥私は、友人を利用してしまった。「失ってもいい友人」だ、などと、私と友情を保っていてくれている人に、番号を振ってしまった‥‥‥人として許されざることなのではないか‥‥‥
 裁判のためとはいえ、自分が正しいと信じるもののためとはいえ、人の心をこのように簡単に処分していいものなのであろうか。
 「そんな覚悟もできないのなら、裁判などはじめから起こすべきではなかったわね」とは、もう2年も前に代理人から言われている。
 そうではなくて。
 ‥‥‥生みの苦しみがなければ、誰でも新しく生み出すことをためらいはしないであろうに。
 ところがこのような私の苦悩をよそに、私が守りたかったものは、あるものは私の気持ちに斟酌など全くせず、あるものはとっくに過去のものとしてしまい、あるものは守りたいと思っていたものの価値を根本から覆し、否定しようとする‥‥‥
 私だけが当時のままに保存されているのだ。

 二審で示される書証は、全て私以外のところから出される。私の主張が真実であることを助けるのではなく、事実であると主張をしている私が、嘘をつく人間ではないことを証明し、また、嘘をついてはいないと認定された部長が、実は嘘つきな人間であることを証明する。
 そう。私の語った言葉が信用されるのではない。よくて、私は、それらの証言から、推して、信用されるのだ。
 事件にまつわる一連の出来事があったその会社にいただけで、話を伝え聞いただけで、既にその人は関係者であるのだと。好むと好まざると、そうなのであると。証言をするのが国民の義務であるように。
 ならば、彼らが損益を被るのは私のせいではないと言えるのだろうか。そこにいた、あなたの運命だと。
 それはあまりに図々しいと、私は感じてしまうのだ。



☆ おまけのAさんコーナー

   「感想注意報」
 沖縄の、零の事件の判決が出た。数人の知人にコメントを求めた。
 「安い」、とT女史は言った。「金額のことではなく、女性の人権があまりにも軽んじられている、安っぽく見られた」、ということであると、彼女は説明した。
 Bは、「おまんらの気に入るようなおなごでのうて、悪かったなあ」と、沖縄というより、自分や私のような泣き寝入りをせずに闘う女性の怒りを、わからずやの男たちに対して皮肉って言ったように思う。
 Mは、「え、何?何の判決?知らなーい」ということだった。
 Yは、「テレビ見てたら、お母ちゃんが出てきてあーだこーだ言ってたけど、あれってすっごい腹立たない?そりゃ、あんたは自分の息子が可愛いだろうけど、女の子やその家族の人たちがどんな気持ちでいるかなんてまるっきり無視しちゃって、勝手なこと言ってさあ、なんであんなのの言うこといちいちニュースで流すわけ?うちのダンナも『バカじゃねーの』って言ってたよ!」と、自らもおふくろさん的な怒りをあらわにしていた。
 私はといえば、会社で夕刊を見たのが4時過ぎ。それから、漂白された雑巾のように、退社時間までほうけていた。
 この事件が地位協定や基地問題を掘り起こすきっかけとなったのは認めるし、それらは重要な問題だと私も思う。しかし、「沖縄駐留米軍人による少女輪姦事件」は、司法関係者も言及しているように、基地問題に全て絡めて考えていいものとも、私には思えない。基地がなければ事件は起きなかった?ならば、男がいなければ私の事件も起きなかった。
 沖縄にも本土にも、日本にもアメリカにも、男は、いる。



☆ 会計報告(95.12.23.〜96.3.8.)

収入  103,200円

     内訳   会費   60,000円
           カンパ  40,000円
           資料収入   200円

支出   46,480円

     内訳   郵送代      24,390円
           印刷・紙代    19,250円
           集会賛同会費   2,000円
           雑費(封筒代)     840円

前期繰越金  51,087円

差引残額   107,807円

◎ 会計より

 毎度のカンパのお願いに応えてくれて、ありがとうございます。年会費については追々寄せられてくると思われますが、とりあえず当面のニュースレターの発行は継続される財源が確保されました。訴訟費用については支える会として、全額保障とはいきませんが気持ちとしてはなんとか力になりたいところです。何らかのジギョウを考えねばなららないのかしら‥‥‥と思っておりますが、その方面にはとんと疎いので、アイディアがありましたらお寄せ下さい。



《 編集後記 》

 今日は朝からツいてない。朝は電車を乗り過ごしたし、帰りはベルサッサで職場を出たものの大切な原稿を忘れて戻り、とうとう今度は電車に置き忘れ、遠く久里浜までUターン。大切な原稿さん、でも戻ってきてよかった。おかげでクラブAは1日遅れの発行となるらしい。ごめんなさい。(Q)

 今日は会社でトラブルがあり、行かれないのに怒っている。(‥‥‥行けずのとんがらし)

 3月11日は魔の日。ぶっとびは花粉症でビエンビエン。こぐまは39度の熱。Qは朝からとちくるっとる。とんがらしは突然の仕事が入る。かろうじて元気なのはKとP。作業日は2日間に渡ってしまったのでした。みなさん、体には気をつけましょう。(P)

 頭のほうは忘れていたのに、体がしっかりと記憶していた花粉症の季節。あわてて昨年の薬を出して飲んでいます。一説によると、高齢になると治るとか。まだその年齢にならないのを喜ぶべきか、悲しむべきか‥‥‥。(パラソル)

 みんなカゼをひかないようにね。(熱でダウンのこぐま)

 ひとり暮らしを始めて、自分がさびしがり屋でないことに気付いた。北はファミコン、西は天理教、東は犬の鳴き声というなかなか騒々しい佇まいである。近所のスーパーで買った芯無しのトイレットペーパー6巻入りには、1袋につき1本、専用の芯棒が入っている。それを60本集めて送るとタオルペーパー2ヶプレゼントということなのだが、それってとてつもなく気の遠い話なんじゃないかと、私は思った。(‥‥‥トイレで源氏物語を読んでいる、ぶっとびのA)




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