私たち女にとっては、あたりまえのことですが、このような人や本からも学び、正しい認識を言語化できたらいいなと思っています。
女たちにとって非常に困難な社会に生きていると改めて認識させられる判決でした。
しかし、原告のAさんをはじめ、多くの女性達が、力強くなり、つながり、支え合っていける可能性も大きいと感じました。
私はそのつながりの輪の1人になれたらいいなあと思いました。(T)
☆ 許せない!秋田地裁判決 −1月28日に言いたい放題−
K. 新聞にも載っていたけれど、秋田のセクシュアルハラスメント裁判の判決はひどいよね。原告の訴えが棄却されて被告の名誉棄損を求める反訴の方が認められてしまったのね。判決文をざっと読んだけど、「原告の行動は強制わいせつ行為の被害者としては不自然」というのが横浜の判決と共通しているところね。
例えば、「声を上げることもせず、被告のなすがままにされた」とか、「被告の手が汚らしく感じられた」という原告の証言が「冷静な思考に基づく」とか、行為の後で被告に紙片を差し出したのが不自然とか。声を上げたり抵抗したりするのが「通常の反応」という決めつけがあるのよね。
それから、「KEN」という雑誌の記事は、原告は被害を裏付けるために取材に応じているのに、裁判官は「被告の主張を裏付けるのに充分な証拠である」という認定をしているのよね。
Q. あの、「KEN」に録音テープを渡したっていうのはどういうことなの?
K. 原告は被害のあとで、被告に電話をかけて謝罪を求めたことがあって、そのやりとりを録音したのね。それを「KEN」の記者に渡して、それが記事として掲載され、被告が名誉棄損で訴えることになったの。
P. それは裁判が始まる前の話なのかな。
K. ええと、裁判の前だと思うけど。取材を受けたのは平成5年10月で、記事になったのは12月号で、提訴は12月中旬だから。
P. マスコミに訴えるって、ちょっと危険な面があるけれどそうしかできなかった理由があったのかな。何かとってもせっぱつまったものを感じるよね。まわりに支える人はいたのかしら。
K. 諸刃の刃というか‥‥‥
Q. ちょっときわどい選択だったかなとは思うけれど。
P. そうするしかない状況だったのかもしれないね。だけどこの判決、負けたってこともあるけど、名誉棄損で訴えられたことは大きいね。
Q. 他の裁判への影響もありそうだね。矢野事件とか、八王子の控訴審とか。
K. 記事を書いたマスコミが訴えられないで、彼女が訴えられたのもおかしいと思う。
P. 新聞にも、「裁判が起こせなくなる」って書いてあったけど、その通りだと思うよね。これが認められると、これから裁判をするのが本当に大変になるね。 (2月22日・於、クラブA事務局)
☆ 宇都宮セクシュアル・ハラスメント裁判傍聴記
3月13日、第21回目の口頭弁論が開かれたこの日の宇都宮は快晴。しかし、原告のKさん、弁護団の福島・渡辺両人は花粉症シスターズで、全員でかいマスクでクシュンクシュン状態。天気のいいのも、あまりありがたくない様子。
傍聴券を待つ列は、抽選ぎりぎりの29名が並び、マスコミ席もいつも通り5〜6人くらい。この裁判への関心は薄まっていないことが判る。むしろ秋田の裁判で、あまりにもひどい判決が出た直後でもあり、裁判所にこれ以上の人権侵害を許さないぞ、という気持ちで駆けつけた人たちで、法廷が埋まった。
この日は、被告側の証人、M氏に対する尋問。彼は、被告セントラルファイナンスの社員で、被告Sとも親しかったらしい。KさんやSを含めて営業の何人かで飲みに行ったときの様子などを、Sの代理人の斉藤弁護士の問いに答える形で証言した。
酒の席で猥談が出た、と証言したのは、猥談が出るような席でもKさんがイヤな顔もしないでみんなと一緒に興じていた、と描くことで、性的に「さばけた」女であり、多少のセクハラぐらいなんとも思わなかったはずだ、とでも言いたいのだろうか?男共の猥談に、イヤな顔をして席を立つこともできない、というのが環境型セクハラそのものではないか。自分の証言の意味を、Mも弁護士も判っているんだろうか?
彼はKさんを、「誰にでも思っていることを話せるさばけた女の子」だと思っていた、と証言した。これも意図としては、セクハラを黙って受けているような女じゃない、とでも言いたいのか?しかし、仕事のうえで思っていることも言えなくて、営業がつとまるのか?それと、性的な被害を受けたときに、それを言葉で訴えることが出来るかどうかは別の次元の問題だ。Kさんは営業のセンスがいいとか、仕事が出来る人と言ってみても、彼の口から出ると気持ちが悪い。彼の意識(同時にセントラルファイナンスの企業風土でもあると思うが)では、仕事が出来るイコール男まさり・男みたいな女、という図式が明らかにある。しかも、女の子、女の子、と連発する。「営業は本来難しい仕事ですから、Kさんは女の子だから、自分も仕事を教えてあげた」という言いぐさには、開いた口がふさがらなかった。この会社は4年も裁判をやっていて、何を学んだんだろうか?
Mは直接の当事者でもなく、証言も伝聞や推測が多く、あまり重要な証人ではないから、原告代理人側からの反対尋問では会社側の姿勢や、企業体質を引き出すような質問がされた。
Kさんが退職を余儀なくされた後、Mはその事について上司から「Kさんが来なくなっちゃった」と聞かされ、どうしたんだろうと思ったとか、Sが暴力的にキスして、その後「謝った」という事件についても、上司から「雑談の中で聞いた」とも答えた。
会社側証人によって、セントラルファイナンスは、一度たりともきちんとした対応を、職場においてしたこともなかったことを、じつにあっけらかんと認めてしまったのだが、その事の重要性すら認識していないのではないだろうか。
問題なのは、裁判所も同様のレベルではないかという危惧だ。
この日、原告側からは、国際キリスト教大の池田理知子先生による鑑定意見書が提出された。池田先生の専門は異文化コミュニケーションで、異なる文化と出会ったときにおきる、意識のギャップの問題を研究されているらしい。男女の間にも異文化に似た価値観や常識があり、その意識差にもセクシュアル・ハラスメントを生む一因がある。だからこそ、企業は積極的な防止義務があるといえる、ということを立証するためのものだそうだ。(この鑑定意見書未読なのでこの程度のことしか言えませんが)
次回公判は6月26日(木)。次回かその次くらいで結審になる見通しです。裁判後の話し合いで、7月5日(土)に、裁判勝利に向けて、宇都宮で集会を行うことが決まりました。詳細は未定ですが、みなさんからもアイデアや協力をぜひぜひ、お願いしたいと思います。 (すみれの会/スモール・ストーン)
☆ Aさんコーナー
@ 2月上旬、会社の若い人たちに誘われて生まれて初めてスキーに行って、生まれて初めてスキーをやらずにスノボをやってしまった。今ごろになって自分が新たに何かに挑戦するなどとは思ってもいなかったのに、気付いたらやっていた。不思議な気分だった。
A 3月に入って花粉症本番。今年は眼科に通っている。
B 会社で昼に約10人分の味噌汁を作っている。おかげで具のレパートリーが増えた。
C 会社で毎朝1時間以上掃除をしている。おかげでトイレ掃除も上手になった。
D 会社で毎朝洗濯をしている。おかげでタオルたたみも上手になった。
E 会社に持って行った鉢植えの花が異常増殖している。日当たりの良さとガンガンにかかっている暖房のせいらしい。
F 今の仕事が7月まで期間延長になった。人材派遣という切ない家業ではあるが、だからこそ必要とされることのありがたさが身にしみる。それは人を元気にさせてくれるものでもある。
G 先日、人が来るからといって食料品を大量に買い込み、1ヶ月は籠城できるくらいに冷蔵庫を満杯にしてしまった。ちょっと持て余している。
H 警察学校に7ヶ月いて、それから転向して刑務所の看守になり、配属が医務課だったのがきっかけで看護士になる勉強をしているKさんと知り合った。
I 3月9日、秋田S・H裁判原告Aさんのお話を聞く会に行ってきた。横浜の一審判決がそのまま引用されたような結果には目の前が暗くなるような気がしたが、Aさんは控訴を決意したそうである。
J 押し入れに眠っていた毛玉取り器でジャージの毛玉を刈ったら、買ったばっかのようになった。ウレシイぞ。
K この3月16日に私は生存日数31年が経過した。
L この3月20日で我が両親は結婚32周年を迎えた。「よく、飽きずに一緒にいたものねぇ」と冗談めかして言う母は幸せ者だと思った。
M もらったスイートピーのミニ鉢植えセットを会社に持って行って種を蒔いた。期間満了までに咲くかどうか、楽しみである。
☆ 3・3女のゼネストに参加して
正午、厚生省・労働省前にはテーマカラーのピンクの腕章も眩い女たちが200人ほど参集していた。主催は「女のゼネスト」実行委員会。均等法の「改正案」が国会に上呈されているさなかの行動として、マスコミも注目しているらしく、各局のカメラが動き回っていた。
保護規定の撤廃を中心とした今回の「改正案」にノーと言おう、セクハラを許さない内容を!といった主張を、宣伝カーの上から次々と発言していく。発言中のさ酒井和子さんが倒れ、救急車で急遽入院となった。(後日、くも膜下出血とのことで、緊急カンパを募って早い回復を願った)彼女の安否を気にしながらも、テーマソングのパフィーの「これが女の生きる道」の替え歌をみんなで歌い、元気を分け合う。日差しは暖か。
マスコミは数少ない男性参加者にマイクを向け、あいかわらず「今日はお仕事は、どうなさいました?セクハラについては?」などと聞いている。(どーしようもない男が取材しておる)巾広のピンクのリボンを繋げて、省舎を包囲した後、盛り上げ隊のちんドン屋さんをしたがえて、日比谷公園から省舎を回って銀座を元気よく行進した。
来年も!必ずやってやろうじゃん! (P)
☆ 3・8国際女性デー・女たちの祭り にぎやかに女が世界を変えなくちゃ!
今年で5回目を迎えるおんなたちの祭りは、3月9日、東京ウィメンズプラザで行われた。オープニングに記録映画「女たちの証言」−労働運動の中の先駆的女性たち−が上映され、その後、寿バンドによる歌と演奏を満喫した。午後からは各分科会がもたれ、分科会終了後には、リレートークとして各分科会からや、様々なアピールが寄せられた。
最後に、秋田セクシュアル・ハラスメント裁判に対する秋田地裁判決に抗議する決議が拍手で採択され、代々木公園までを行進した。 (P)
《 編集後記 》
みずらへの相談者が離婚する夫より慰謝料として62円切手を山程もらったので買い取って欲しいとのこと。いいとも!と受けおったが、今回の郵送にあたって、18円切手がもう発行されていないという現実にぶちあたった。どこまでも迷惑をかける元夫と、郵政省の値上げをした後のフォローのなさに頭に来る。せめて慰謝料は現金で払わせよう。(P)
最近色気のないところがイターイ!!こぐまです。何とかならないものでしょうか。裁判に勝利して皆で笑い合える日が早く来ますように!!(こぐま)
3月9日の女たちの祭りで、またまた学生時代の友人と劇的な再会をした。彼女はキューバに住んだりエチオピアに行ったり、世界をまたにかけて活躍しているのだそうだ。それにしても、30年近くも会わなかったのに変わっていない。今年は再会の年になりそうだ。会いたいなあと思っていると伝わるのかな。(Q)
ストナリニ、エスタック・ニスキャップ、コルゲンソフト‥‥‥「これがオススメってぇのはありますか?」と薬局で訊くと、「うちの店長もこれ使ってます」といって、ベルエムピというやつを出された。ベンピの兄弟みたいで頼りない名前だが、眠くならないところは気に入っている。(ズバピタ・ヘッドは東芝ルポ、ズビズバしているのは私の鼻、のA)
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