魚肉が沈殿していることがあるので、よく振ってお飲みください。
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【2006年8月9日】
R413〜R412〜R20〜R152(杖突峠、高遠)〜R361〜県道207号美篶箕輪線〜(卯の木交差点)19号・伊那辰野停車場線〜(三日町交差点)R153〜まつくぼ・JR小野駅・道の駅小坂田公園〜東山山麓広域農道〜63号・松本塩尻線〜R143〜(大口沢交差点)57号〜(田沢北交差点)R19〜55号・大町麻績インター戸倉線〜大町市街地〜R148〜白馬村

【10日】
R406〜大出の大吊り橋・白沢洞門〜R406〜白馬村八方・黒菱林道〜R148
〜県道45号・大町アルペンライン〜扇沢駅・黒部ダム〜県道45号・大町アルペンライン〜県道31号〜県道33号〜R406号〜いろは堂〜36号・信濃信州新線〜31号・長野大町線〜県道475号・信州新中条線〜12号・丸子信州新線〜R143〜12号・丸子信州新線〜(鹿教湯交差点)R254〜R152〜長門温泉やすらぎの湯〜R152〜(山寺上交差点)17号・茅野小淵沢韮崎線〜(八ツ手交差点)県道425号・松沢富士見線〜R20〜道の駅信州蔦木宿・道の駅甲斐大和〜R412〜R413

 何十年も前から「黒部ダム」へ行きたいと思っていた。子供のころから「昭和の難工事」の話を聞かされてきた。写真も映像も見た。大きさと迫力に驚いた。いつか実際にこの目で見てみたいとずっと思ってきた。その日は、突然にやってきた。



青木湖中綱湖。広いバイパス道路があるのだが、わざわざ湖岸を走ってみた。
急ぐので今日はゆっくり見ていられないが、どちらも空や山を映して美しい。




大町市外を迂回してアルペンラインに入る。
曲がる交差点を探していたとき、右の道から大型バスがやってきたのでそっちだと思った。
全国各地からの観光客が全てこの道を辿って、黒部へと向かうのだ。
市街地 → 田んぼ → 谷間 → と、どんどん高度を上げて行く。
そのうちいくつも現れるのが「スノーシェッド」。「ロックシェッド」というのもあった。
「シェッド」というのはいわゆる「洞門(どうもん)」のことらしい。洞門と言えば30などは正月の箱根駅伝、
R1箱根湯本塔ノ沢間にある「函嶺洞門」をすぐに思い浮かべる。
ゴールデンウィークに、冬季閉鎖が解除されたばかりの志賀草津高原ルート渋峠の近くで、
洞門の中に雪が吹き込んで凍り付いているようだったのも記憶に新しい。
コンクリート以外の素材で作られるものもあり、形も現場に合わせて様々なものがあるようだ。




扇沢に着いた。標高は1425m
駅に近いほうは有料で下の段の駅から遠いほうは無料だと、宿のおじさんに聞いてきた。
迷わず無料Pに停めたが、大した距離ではない。というより、もう有料はほとんどいっぱいだった。
駅前には、さっき見たような大型観光バスが何台も停まっていて、
お揃いのリボンやバッジをつけたツアーの人たちがゾロゾロとトイレに向かっていた。
駅前の水飲み場はシラカバっぽい作り。観光客へのこんなお願いもあった。

さっそく切符を購入。扇沢側からはいちばん安い往復チケットだ。
前にいた人が1万なんぼとか言われてお札をビラビラ出していたのには「ほぇ〜〜〜!」と思ってしまった。(~_~;)
黒部観光はお金がかかるのだ。



まだ時間はあるけれど、みんな並んでいるので一緒に並んでみる。

ところで、駅の人はおじさんより若い人のほうが多かった。「運転手のおにいさん」だ。
“鄙びた田舎の観光地”の雰囲気はなく、何か活気のようなものすら感じた。




バスは5台あった。乗り込むといちばん前の席が空いていた。電気で動くという以外は普通のバスと何も変わらない。
でも、いつエンジンをかけたのかわからなかった。出発である。
屋根の上に電車のパンタグラフのようなものがついていて、架線につながっているので、追い越しなどはありえない。
もし、蛇行運転なんかしたら電線が引っ張られて大変なことになるのかもしれないなー???と思ったりした。
ところで、「パンタグラフ」なのか「パンダグラフ」なのかと考えたことのある人は私以外にもいるはずだよな。



車窓の景色などは見えない。ずっとトンネルの中である。
車内には黒部やダムについての解説アナウンスが流れ、
長野富山県境や破砕帯の箇所を通るときには
ちゃんと教えてくれる。
ほぼ1車線のトンネルは蛍光灯で明るく照らされている。
小学生のころに行った上高地へ向かうトンネルは、
暗くてデコボコしていてものすごく怖かったことを思い出した。
あ、ブレーキ踏んだ。
ダムのほうから来るバスとすれ違うのだ。
こちらのバスは5台とも座席が埋まっているのに、
対向車両はガラガラだ。なんで?と思ったが、
みんな立山のほうまで行くからだった。まだ時間が早いし。
そして黒部ダム駅に着いた。
涼しい。何か不思議な匂いがした。


さて、改札を出たら洞窟のような220段の地中階段を登る。
直接堰堤に出られる近道もあるけれど、折角なので上を目指したい。
階段は、天井こそ低い感じがするものの、明るい色のペンキと照明で照らされ、何より夏休みの子供たちの歓声で賑わっていた。
途中の踊場にはベンチがあり、息を切らした年配の方々が休んでいる。

風が流れてくる。ときにぬるく、ときに冷たく、ときにさっきの不思議な匂いが混じっている。

そして、陽の光の下に出た!








すんごい人である…。




しばらくはこんなふうで手すりに取りつけない。(^_^;)

ここは展望台休憩所、1508m
ヘーへー言いながら人の尻を眺めて登ってきて、ポッカリと空中に放り出されるように出てきたのがこの青空と絶景の広がる場所。
まずは、目に飛び込んできた景色に他のことは何も考えられなくなる。

   

そこいらじゅうで“シャッター押してもらえますか?大会”
最近の人はまず写真で、写真さえ撮れば自分の目でゆっくりと景色を眺めることもせずにさっさと行ってしまう人が多いような…
気がするのは、私だけだろうか。
ひとしきり写真を撮ると、売店でお土産を買ったり、アイスを食べたり、湧き水を飲んだり、行動が落ち着いてくる。
同じ便で来た人たちがだんだんと散りぢりになって下へ下りて行くと、辺りには静けさが戻ってくる。
黒菱平でも感じた、あの静かさだ。
さっきの不思議な匂いが風に混じっている。風の中にひと筋ふた筋と切れぎれだ。
どこかに花でも咲いているのだろうかと思ったが見当たらない。








翡翠色の水





圧倒的な質量





構造物の巨大さ





人間の小ささ





谷にかかる虹





ここが黒部だ。





写真は腐るほど撮ってきたが、どの一枚だけでも黒部は語れない。スケールが大きすぎてたった一枚になど収まらない。

写真を撮りすぎて記憶のないものもある。展望台にあったこれは何の説明だっけな?




見る場所を変えると周りの風景が少し変わる。放水の様子を撮ってみた。手すりのそばに立ってかわるがわる写真を撮る人たち。
放水の毎秒10立方メートル以上という量がどのくらいなのか、すぐには想像できないが、堤体の上を歩く人の姿と比べると…
風で放水の水しぶきが流れると、虹も伸びたりする。




展望台から下へと下りて行く。 展望台の風見鶏がライチョウだ♪
みんな下ばかり見ているが、正面の山もすごい。あのトンネルの入口のように見える構造物はなんだろう。
いや、それが何かというより、あんなところで工事を行ったこと自体が信じられない。
これと同じようなとんでもない高所の工事現場を見た覚えがある。
南アルプス公園線奈良田から広河原へ向かうときに遠望した夜叉神峠越えの南アルプス林道だ。
それに、みんな放水ばかり見ているが、自分が立っている場所のすごさをわかっていないと思う。




鉄製(?)の大きな作り物が置いてある。これは「コンクリートバケット」。生コンを入れて運んだ容器だ。
容量は9立方メートル、重さがなんと7トンもある。コンクリートをいっぱいに詰めたらどれほどの重さになるのだろう。
これをまた重そうなフックで太さ100ミリのワイヤーに下げ、2基の25トンケーブルクレーンというやつで吊り上げて…
なんかとんでもない重量になりそうだ。でも、そう書いてある。




だいぶ下へ降りてきた。03年6月にオープンしたという新展望広場へと階段を下りる。
ダム堤体を少し見上げるような感じだ。




うわ、近い!デカい!
非常階段のような通路がおもちゃのように細く頼りなく見えるが、実際は頑丈に出来ているのだろうなぁ。
だって、堤体の上を歩いている人たちがあんなに小さく見えるんだもの…
もしもあの扉のそばからこの放水を見たらば、どんなふうだろうか?




真っ白く霧状になった水が風に巻かれるたびに、虹が大きくなったり小さくなったり、2重にかかったりする
空にかかることが多い虹がこんなふうに谷間にかかるなんて。しかも、どえらく大きい。


新展望広場には植え込みがあった。コンクリートに吹きっさらしの野外階段を下りてくると、土から生えている木や草の感触が、
妙にやわらかく和みのあるものに感じられる。いい匂いのする花はこのあたりに咲いているのかと思ったが、やはりなかった。

その奥の壁に、こんなものがあった。




恐竜の足跡ではない。重機たちの足跡だ。
作業員たちと共に働いた、建設機械たちの足跡だ。



 

展望広場まで下りてきた長い階段を昇る。空気がきれいなぶん陽射しの強さがハンパじゃない。
ヒーハー言って汗を拭きながら昇る。あち〜〜〜!(;´Д`A ```


さあ、いよいよダム堤体の上を歩くぞ!!



と、思ったら、順路はレストハウスに直結していた。ひと休みしろってか。










売店の棚の前で30が座り込んでいる。実はここで、運命の出会いがあったのだ。



その姿を見たとき、既に心は決まっていた。絶対においては行けないと。





黒いのもいた。でも、私はこれだと思った。










特別天然記念物、ライチョウ。

(純白の夏毛バージョン)




        

あゝ、このカワイさッ!!たまりません!\(^o^)/








めでたく我が家の一員となった“ライちゃん”とともにレストハウスを出てくると、
そこはトロバス駅からくるもうひとつのルートの出口(入口)だった。
左の壁に小さなプレート






あの匂いがする。トンネルの中から吹いてくる冷たい風にも、さっきの不思議な匂いが混じっている。


濃く薄く、香るその元はここだった。






慰霊碑。




ダムや展望台の賑わいと少し離れて、まばらに、しかし絶えることなく人々がその前に立ち、
手を合わせ、線香を立てていく。

バスを降り、初めて黒部の地に立ったときに包まれた匂いは、この慰霊のための線香の香りだったのだ。







碑の前からは、ダム湖とダムがよく見える。






大勢の人たちがかわるがわるに立って写真を撮る人気スポットはここ。
順番待ちの列が出来るほどだ。すぐ横に団体写真用の“雛壇”もある。




駅から地上に出た展望台があんなところにある。
さあ、堤体へGOだ!



ところで、今まで「黒四ダム」だと思っていたのだが、
このダムはただ「黒部ダム」で、「四」がつくのは発電所だということを初めて知った。
近所で黒い犬を4頭飼いしている人がいて、いつも4頭一緒に散歩に出るので、我が家では「くろよんワンちゃん」と呼んでいたが、
それとは全然ハナシが違うらしい。(-_-;)






上から覗き込むと、これがまた高い!!
カメラなんか、しっかりと握っていても落っことしそうな気分だ
今度は、横からではなく真上からの放水。




ダムの中心に到達。嬉しかったので記念に撮ってみた。(kiri30

あと半分だ。





こちらからの放水写真はあまり見ない。
それにしても、さっきはあんなところにいたんだなぁ…。





対岸まで来るとまたポッカリとトンネル通路が口を開けていた。
あの先には、黒部ケーブルカーの乗り場と遊歩道がある。
ちょっと可愛らしい雰囲気の案内図があった。
野外階段の途中にちゃんと黄色のコンクリートバケットが
置いてあるところが、とてもいい。

遊歩道ということで、こういう注意も掲げられている




ダム東端からの眺め。日本でいちばん高い場所を航行する遊覧船「ガルベ」が出て行った。






この地に立ってこそわかる、「黒部ダム」である。


















駅入口まで戻ってくると、ちょうどバス発車の案内アナウンスが流れていた。次の便は1時間後。
そんなことを全く考えていなかった私たちは慌てて改札へと走った。
親切な駅員さんが「走らなくても大丈夫ですよ」と声をかけてくれたが、そう言われなくてもこの階段には足が止まった。(~∀~;)
ホームに出ると、「いちばん前が座れます」と教えてくれた。黒部の人たちはみんな親切だなぁと感じた。

ライちゃん、ふるさととお別れのときである。
(でも、「MADE IN VIETNAM」ってついてる)




    

扇沢駅に戻ってきたのは12:16。駐車場はほぼ満車。下の無料のほうはどうなっているだろうか。
ところで、トロバスって、ああやって電気もらってるのね



駅舎への階段を降り始めると、
「いらっしゃいませ〜!黒部のお土産はいかがですかー!!」
「旅の思い出におひとつどうぞー」
「ここでしか買えませんよー」
「いちばん売れてます〜♪」

などなどの賑やかな声が。(笑)
試食もたくさん出ていて、
「ハイ、お父さんどうぞ♪」
とニッコリ若い女の子にすすめられたオジサンたちは、次々とその術中にハマっていった。(笑)



黒部土産の数々。(ごく一部)

  

  

黒部ダムのマスコットキャラクターオコジョ「ダムダム君」だが、
お土産のモデルとしてフィーチャーされているのは断然、ライチョウが多い。
どちらも特別天然記念物ということで貴重さでは勝負にならないが、やはり花鳥風月を愛する日本人の心を捉えたのか、
鳥類のライチョウがお土産商戦にあっては勝利をおさめているようである。

「雷鳥ぴよしょこら」の形状の可愛らしさは文句の付けようがないし、「雷鳥のたまご」もありがちながらやはりはずせない一品だ。
その圧倒的ヒヨコ・ラブパワーに対抗しているのが「黒部のダムダム君」だが、これはやはりネーミングの敗北といったところだろうか。
そんな中でキャラクターに頼らない「黒部の虹」はバームクーヘンを虹に見立てている点が秀逸で、
30もお隣さんにこれを買って帰ろうかと思ったくらいだ。
しかし、kiriの一押しはこれだった。





「雷鳥の里」








明るい黒部美人(ここ大事)のおねえさんが野沢菜ついでにすすめてくれた一品だ。
美人のおねえさん「雷鳥に会えましたか?」と聞いてくれた。
おねえさんはもう4回も雷鳥を見ているそうだ。でも、オコジョにはまだ会っていないそうだ。
山梨県の某林道でホンドオコジョに遭遇したツバキッキさんとどんぐりさんは超ラッキーだったのかもしれない。
というわけで「雷鳥の里」購入。
千円札を出している30のサイフにはのステッカーが!!
これはDELICAつながりリブさんが、我が家のために特別に製作してくれた逸品である。
(ほしいという方は掲示板にその旨書き込んでください(^_^) )




そして棚には、誰かに連れて帰ってもらえる日を待っている彼らの姿が…





  

トロバス乗車直後、人けの絶えた扇沢駅改札前/「ちきゅうにやさしいくろよんレインコート」/
レインコートやウインドブレーカーなどについているダムダムくん





駅に貼ってあったポスターに、「コマクサ」の写真があった。
きのう泊まった白馬村のマンホールにデザインされていたのがこの“高山植物の女王”「コマクサ」だ。
kiriが「知らない」というので指し示した。
あんまりきれいだったので著作権も何も考えずに撮ってしまった。これは扇沢駅にあったポスターの写真を撮ったもの。






いつか、何も知らない人たちがこの地を訪れ、
ただ景観の凄さに歓声をあげるだけの日が、来るのだろうか。